20歳からこの世界に入り、30歳で陶房を開き、およそ35年経ちます。その頃、藤田美術館にある桃山の「黄瀬戸花文輪花鉢」と「黄瀬戸大根文輪花鉢」が二つ並んでいるのを見たと き、身体中が稲妻を走り抜けるような感動を覚えました。肌の発色とそこに淡く滲む緑がきれいで迫力があり、ほかの作品を圧倒していました。それ以来、黄瀬戸を主体 とした桃山陶に挑み続けています。 黄瀬戸の色は、原料である土と灰が持っている微妙な鉄分が滲み出てきたもので、ごまかしがきかず難しいで す。土と灰と焼き方、この三拍子が揃わないとうまくいきません。その土や灰を探し求め、暗中模索しながらいくどとなく焼成実験を重ねてきました。現在の原土は瀬戸で多く採 れる蛙目粘土(かいろめねんど)を自ら掘り、美濃の石気の多い土を混ぜます。また釉の主体となる灰は、備長炭を 使われている岡崎の鰻屋さんから仕入れ、灰を自ら調合しています。 茶陶が主ですが、和食器もひとつひとつ手作りで現代茶陶展などに出展し、いろいろな賞をいただいています。 いつか桃山を超える独自の黄瀬戸、織部、志野などを創り出そうと努力している毎日です。(岩月竹光／栞より)父から譲り受けたものです。黄瀬戸の凝った香合で存在感があります。箱は共箱で未使用の長期保管品です。ご不明な点がございましたら、コメントよろしくお願いします。サイズ大きさ直径約7.0cm 高さ約4.3cm重さ約65g